AP:Artist Proof

  • アーティスト保存所有分の作品。

    英語でArtist Proofと呼び作品署名欄にAPと表記します(仏語ではepreuve d'artiste:EA)。
    作家自身が作品資料として保存する校正刷りの一部。
    又はお世話になった方や他のアーティスト、美術館等に贈呈する為の作品。
    現在では、通常のエディションナンバー同様に版元、作家が管理し販売する事が一般になっています。
    通常限定の物と全く同じ刷りで価値、価格は変わりません。
    エディションナンバーの約一割程が摺られるのが通常です。

HC:Hors Commerce

  • 非売品。

    仏語でHors Commerceと呼び、HCと署名欄に表記します。
    販売の為、見本用に刷られた物でしたが、現在では限定番号以外で版元が余分に販売出来る作品に付けられます。
    エディションナンバーの一割くらいが刷られます。
    通常限定の物と全く同じ刷りで価値、価格は変わりません。


PP:Printer's Proof

  • 版画摺り職人の為の作品。

    英語でPrinter's Proofと呼び、版画工房の職人の労をねぎらう為に版画の出来上がり時に署名欄にPPと記載して贈呈します。
    工房の実績を残すためや、摺り代の補助として渡される事もあります。
    APを贈呈する事もあります。

TP:Trial Proof

  • 作品の校正刷り。

    英語でTrial Proofと呼びTP (仏語でEpreuve d'Essai:EE)と表記します。
    校正刷りとは色の調子、配色具合、見当、構図を本刷り前に行う事です。
    校正ですから完成作品とは色、構図が若干違って来ます。
    作家と職人が持ち合い意見疎通に使います。

木版画の保管

  • 直射日光、湿気、熱には注意を。

    版画は長い間日光に晒されると紫外線により紙の劣化、色の退化が起こります。
    一日を通して直射日光が入らない壁面に飾ってください(南向き、西日の入る窓がある部屋は要注意)。
    梅雨時や長雨が続く時は湿気により、カビの発生や紙が波打ちしてきます、箱に入れたままの保管は避けて時折風を通してください。
    長い間箱に入れたままにすると、ガラス•アクリル板の表面に白い斑点(カビ)が出る場合があります。
    この場合はエタノール等のアルコールで拭き取ってください。
    額を保護するビニール袋は使わずにそのまま箱に入れて保管する事をお薦めします。
    余程の悪条件での保管でない限り作品自体にカビ、シミが出る事はありませんが、稀に出る場合があるので出来る限り風通しの良い場     所を選び保管してください。
    シート本体を保管する場合は中性紙に挟んで、やはり風通しの良い場所に保管してください。
    多少波打ちした作品はそのままの状態でも紙の伸縮で元に戻りますが、波打ちがひどい場合は作品をマットから外し厚紙に挟むか又は
    裏面に水で軽く霧吹きし厚紙に挟み重しをして、毎日厚紙を交換して数日置いてください。
    それでも直らない場合は裏打ちをしてください。
    全ての美術工芸品は直射日光、湿気、熱には要注意です。


オリジナル版画とは。

    厳格に分けた場合は、作家自ら原画を描き版を彫りそして自ら摺った作品のみをオリジナル版画と考え、それ以外は複製版画と見ます。
    現在ではこの考え方は範囲が狭く妥当ではないと言われています。
    現在オリジナル版画と呼ばれる要件は、「版画にする事を意図し作品の原画を作成する。」「作家がその彫り摺りを監修し、刷り上がり
    を確認する。」
    以上の様に作家の意図が制作の過程に繁栄されている事であり、自画•自刻•自摺するのみをオリジナル版画たる事の主要件ではありま
    せん。
    尚、オリジナル版画以外の物は「エスタンプ(複製版画)」と呼びます。